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人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短い。
(中島敦『山月記』)

憧憬

 人々はなぜ、憧憬するのだろうか。小学生低学年の頃学校で、将来何になりたいか話すことがよくあった。なりたい職業はころころ変わるが、特にないということは決してなかった。今思えば、なぜだろうと疑問に思う。
 人は、好奇心の強弱はあるにしても、様々な物に興味を持つ。とりわけ、自分には無いもの、自分の知らない事には強い関心を持ち、憧憬する。それは、その自分には欠けた何かを求め、手に入れようとするからだ。すなわち、何か目標を定めることにより、自己を安定化しようとするのだ。人はそうして、自分には無い何かに憧憬するのと同時に、それを手に入れることでより成長した自分というものにも、憧憬しているのだと思う。

講評:13点/15点

まず、「憧憬」と言うことばについてですが、そのまま「憧憬する」と言う形で動詞化しないで下さい。一般的には「憧憬の念を抱く」などと言った形で動詞化します。
その他の点は、まぁ、特に指摘することもないのですが、強いて言うならば、第一段落と第二段落の間の内容的なつながりが弱い、と言うことでしょうか。何故、好奇心がころころ変わったのかのフォローが欲しかったところです。
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